【石毛理論】についてインタビューしてみました

◆今日は、石毛さんに、【石毛理論】について伺いたいと思います。

早速ですが、【石毛理論】とは、どういうものでしょうか?

 

石毛宏典(以下:石):野球を含むスポーツには、基本と言われる原理原則がありますが、あまり知れ渡らず立証されていないという現状があります。

その中で、自分の経験を通して、

・故障しない身のこなし

・確率を高める身のこなし

・予期せぬプレーから身を守る身のこなし

この3つを基本と私は考えています。これが【石毛理論】の野球の考え方であります。

 

 

◆石毛さんの考える基本【石毛理論】には3つの考えがあるのですね。

では、1つ目の「故障しない身のこなし」についてですが、故障しないようにするには、どのようにすればいいですか?

 

:人間は、大人でも子供でも、同じように歩いたり、立ったり、体操したりしますが、その動作のときは故障しませんよね。

ということは、その動作に、故障しない身のこなしが含まれているのではなかろうかと考えています。

その中で一番大切なものは、「バランス」だと思います。

 

 

◆「バランス」とは、具体的には、何でしょうか?

 

:みなさん、「バランス」という言葉をよく口にしますが、私が考える「バランス」とは、次のようなものを言います。

立って、足・首・膝・腰・肩のラインが地べたに対して平行であり、真ん中の中心線から左右対称であるという、人間の持っている肉体的な形です。

 

故障しない為には、その「バランス」が必要だと考えています。

 

 

◆「バランス」力を身に付けることが大切なんですね。

 

:バランスよく立とうとか、普段意識しないじゃないですか。ですが、スポーツにおいては、「バランス」が大切になってくるんですね。

バランス」とは何か、「バランス」を維持する為には何が大切か、を考えることが大切です。スポーツだけに限らず、鬼ごっこや木登りや、遊びの中でも平衡感覚は身に付きますが、今の学業優先の時代は、そういう遊びをする子たちが減ってきているのも現状です。

その中で、「バランス」とは何かと意識することがまず、大切です。お子さんにも、親御さんにも、日々の中で、意識してもらえたらいいなと思いますね。

「「バランス」がいいから故障しない。」無理のない、力が入っているようで入っていない、意識してそうでしてない、その状態が、私はバランス」のいい状態だと思っています。

 

 

◆次に、2つ目の「確率を高める」とは具体的に、どういうことでしょうか?

 

:野球は、勉強のテストと違って、点数がでないんですよ。なので、野球では、例えば「相手の胸に投げる」ということが課題であれば、

「相手の胸に投げられる確率を上げる」ことを目指すことになります。その「確率を高める」ことが技術の向上につながります。確率を上げられたその結果が、喜びになり、野球って楽しいなという気持ちにつながります。【石毛理論】では、成功体験をすることで、野球って楽しいと感じてもらうことも大事にしています。

 

 

◆「確率を高める」ためにも、「バランス」は大事になりますか?

 

:そうですね。「故障しない」とか「バランス」を高めるとか、そういうものは全て、切り離せず、一連の動作の中でのことだと思います。

 

 

◆3つ目の「予期せぬプレーから身を守る」とは、どんなことが挙げられますか?

 

:例えば、バッターとしてボールを待っているときに、おそらく次はストライクでくるだろうと思っていても、カーブがくることもあります。

自分の想定とは違う、どんなパターンできても反応できる身のこなしが1つです。また、自分の顔にボールがとんでくるとまでは、予測していないときに、頭にあたるのか、反応してかわせるのか、という大きなケガから身を守るという身のこなしもあります。

守備でいうと、イレギュラーバントなどでの対処も、「予期せぬプレー」に該当しますね。

 

 

 

◆「予期せぬプレーから身を守る」というのは、イレギュラーなことが起こったときに、反応できることや、大きなケガをせず対応できるという身のこなしということですね。【石毛理論】の中で、一番大切なことは、3つの身のこなしを理解し、身に付けるということですよね。

 

 

:はい。野球というのは、技術を使うスポーツです。身の使い勝手、例えば腰の使い方、肘の使い方、様々ありますが、その中での技術を使うメカニックとして、一番大事なのは、「トップ」の位置かなぁと思います。バランスのいい「トップ」を作ることが非常に大事です。

 

 

 

◆今お話にあがりました、「トップ」とは何ですか?

 

:「トップ」の定義は、野球人それぞれで違います。

私の場合は、投げるときも、打つときも、前の足が地べたに着地した瞬間を「トップ」とし定義しています。キャッチボールでいうと、セットして投げる方向に前足が上がって踏み出していくのですが、踏み出した足が地べたについた瞬間のことですね。投げるときも、打つときも、ゴロを捕るときもイコールだと捉えています。バランスのいい「トップ」を求めることによって、「確率が上がる」というわけですね。

 

※以下に打撃・守備・キャッチボールのトップの形を表示します。

 

 

 

 

◆「トップ」がうまく作れないと、確率が悪くなるんですね。その他には、どんなことが起こりますか?

 

:体に無理がきます。変な「トップ」でも一過性では、できてしまったりすることはありますが、毎日繰り返ししていると、体のどこかにひずみがきてしまいますね。

 

 

◆「トップ」とは、ピッチング・キャッチボールだったら左足を投げる方向についた瞬間、守備だとゴロが転がってきて捕球する瞬間のことを言って、そのときに「バランス」のとれた状態というのが【石毛理論】にとって一番いい形なんですね。

トップ」の重要性がよくわかりました。「トップ」の位置をうまく作れるように、まずは頭に入れておくといいですね。

 

 

:「トップ」というのは、「トップ」の形を作って投げるのではなく、動きの中で、「トップ」を経由してということです。

経由するポイントが、ステップした前足が地面に着地したときの形が左右対称になっていればいいということです。「トップ」を作って、「はい!投げます」ではなく、動きの中で「トップ」ができればいいです。だから、投げることを矯正することが難しいのです。

途中でとめられませんからね。バッティングでは、とめて練習することができるので、バッティングの矯正のほうが楽かもしれません。

投げ方・捕り方の矯正は時間を要します。

 

◆わかりやすい説明を、どうもありがとうございました。

 

 

 

 

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